日本エネルギー学会誌
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特集:JCREN II (論文)
Optimization of Heat Transfer through Heat Carriers in Bio-H2 Production Using CFD Simulation
Haruka NAKAYAMA Mitsuo KAMEYAMAHisashi KAMIUCHIKiyoshi DOWAKI
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2021 年 100 巻 10 号 p. 194-199

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抄録

水素は,地球温暖化の緩和に有望な二次エネルギーであり,特にバイオマス原料による水素製造は,原料のカーボンニュートラルという性質から,温室効果ガス排出の削減に貢献する。バイオマス原料からの水素変換技術のうち,固気反応を伴う間接熱分解プロセスでは,球状のヒートキャリア(以下,HC)と呼ばれる熱媒体(Al3O2)が予熱炉と熱分解炉間を循環し,原料とHC間の効率的な熱伝達により分解を促進させることが重要となる。本研究においては,研究開発が実施されている小規模な間接熱分解プロセスにおいて,予熱炉での排ガス顕熱によるHCへの動的な熱交換の検証をCFD(Computational Fluid Dynamics)モデルにより行った。ここでは,連続的な原料の熱分解を実現するための予熱炉でのHCの滞留時間及び加熱温度を設定し,それらの条件を満たすための高温排ガスの流入と加熱状況を検証した。 特に,温度864℃では,定常的な熱バランスから求められたガス顕熱の1.3倍を供給して熱伝達が行われ,予熱器の熱伝達効率はη=33%であることが分かった。

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© 2021 The Japan Institute of Energy
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