日本エネルギー学会誌
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論文
アンモニア/水素ならびにアンモニア/メタン混焼火花点火機関の性能
宮澤 明憲関口 尚幸ゴンザレス ファン荒木 幹也志賀 聖一神原 信志
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2021 年 100 巻 9 号 p. 162-168

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抄録

本研究では,NH3/H2ならびにNH3/CH4を用いた火花点火機関の性能を実験的に評価した。圧縮比13.7,行程容積412 cm3のディーセルベース単気筒火花点火機関を使用した。NH3,H2,CH4は高圧ボンベから供給され,自動車用ガスインジェクターから吸気マニホールドへ噴射される。燃料と空気は吸気マニホールドで混合されて筒内へ流入する。NH3/CH4混焼の場合,NH3モル分率0 ~0.50の範囲で安定した運転が可能であった。NH3/H2混焼の場合,NH3モル分率0.70~0.90の範囲で安定した運転が可能であった。NH3/CH4混焼,NH3/H2混焼のいずれも,NH3モル分率が増大していくと,正味平均有効圧力ならびに正味熱効率は増大してゆるやかなピークをとり,そののち低下していく。CH4単体燃焼でのNOx排出量は3800 ppm程度であるが,NH3 10%を添加すると一気に増大し5500 ppm程度に達する。NOx排出量はNH3モル分率の増大とともにその還元効果によって減少していく。未燃NH3排出量はNH3モル分率の増大とともに増大していく。この未燃NH3は消炎層から排出されたものと考えられる。

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© 2021 一般社団法人 日本エネルギー学会
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