日本エネルギー学会誌
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論文
再生可能エネルギーの環境・社会経済評価のための地域産業連関モデルの開発
森泉 由恵 本藤 祐樹
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2023 年 102 巻 1 号 p. 1-18

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抄録

本研究では,地域における再生可能エネルギー技術の導入がもたらす環境・社会経済効果を評価するための再生可能エネルギー部門拡張産業連関モデル・地域版(Renewable Energy Focused Input-Output model for Region: REFIORegion)を開発している。REFIO-Regionの作成は次の2段階のプロセスで構成されている。第一に,国と47都道府県の産業連関表,経済センサス活動調査など各種統計を用いて,1,741 市区町村の産業連関表(地域内表)を作成している。 第二に,1,741市区町村を任意の2地域に分類して2地域間表とするとともに,12種の再生可能エネルギー技術に関わる部門を結合することで,2地域間産業連間モデル,すなわちREFIO-Regionを構築している。REFIO-Regionは,わが国の1,741市区町村の産業構造ならびに12種の再生可能エネルギー技術の技術構造を詳細に表現しており,各技術の地域レベルの導入効果を詳細に分析可能である。REFIO-Regionを用いて,18市町村で構成される熊本連携中枢都市圏に風力発電を導入した場合の地域経済効果についてケースタディを実施している。ケースタディの結果は風力発電と導入地域の特徴を反映したものとなっており,本モデルの有効性を示している。

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© 2023 一般社団法人 日本エネルギー学会
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