日本エネルギー学会誌
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技術論文
コバルト系触媒を用いたFischer-Tropsch(FT)合成における炭化水素製造(Ⅱ)―助触媒,異なる触媒調製法,FT合成温度のケロシン収率および炭素物質収支への影響―
隈部 和弘 飯尾 俊樹守富 寛
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2024 年 103 巻 7 号 p. 54-62

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抄録

代替航空燃料(ケロシン相当の炭化水素)製造を目的として,34 vol% H2,16 vol% CO,50 vol% N2の合成ガスおよびコバルト系触媒を用いたフィッシャー・トロプシュ(FT)合成を温度が225 および230℃,圧力が3.0 MPa,W/Fが 3.7 g h mol-1 でダウンドラフト連続ガス流通型固定層反応器を用いて4.5時間行い,助触媒,異なる触媒調製法,FT合成反応温度のケロシン収率および炭素物質収支への影響を検討した。助触媒としてクロムおよびニッケルが含有した触媒を用いると,総括CO転換率およびCOの炭素数11-14(ケロシン相当)の炭化水素への選択率が増加した。コバルトおよびクロムを逐次含浸させた触媒を用いた場合,同時含浸させた触媒を用いた場合と比較して,総括CO転換率およびケロシン相当の炭化水素への選択率はそれぞれ増加および減少した。反応温度が増加すると,総括CO転換率およびケロシン相当の炭化水素への選択率が増加した。

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