日本エネルギー学会誌
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技術論文
PVとEVを用いた双方向エネルギーシステムの評価
中川 二彦満本 祐太
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2014 年 93 巻 8 号 p. 716-724

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抄録

東日本大震災後,日本ではCO2 排出量を抑制するとともに,原子力の依存度を下げるエネルギーシステムの構築が急務になっている。そのためには, 自然エネルギーの利用拡大と省エネルギーの推進を組み合わせたエネルギー供給と消費の方法を考える必要がある。そのひとつの例として,太陽光発電(以下,PVと記す)と電気自動車(以下,EVと記す)を用いたエネルギーシステムがある。しかし,従来のシステムにPVとEV を用いた場合,直流(以下,DC と記す)⇔交流(以下,AC と記す)変換損実が多いという課題がある。本研究では,PVとEV を組み合わせて, 住宅および工場などへ電力を給電するシステムおいて,PV の設置場所,面積およびEV の蓄電池容量などをエネルギーの消費に合わせて有効に利用するスマートPV & EV システムを提案した。また,PV で発電した電力のDC ⇔AC 変換ロスを大幅に低減する方法についても提案した。その結果,提案するシステムでは,PV 電力の総括使用効率を87%以上に向上できることを検証した。また,PV 電力の総括使用効率の向上に伴い,エネルギーシステムの経済性が向上されることを明らかにした。

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© 2014 一般社団法人 日本エネルギー学会
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