日本エネルギー学会誌
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小規模農地における短期伐採可能なエネルギー作物ヤナギの収穫方法の提案
森本 英嗣佐藤 茂小井土 賢二
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2016 年 95 巻 1 号 p. 152-155

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抄録

近年,日本では食料生産機能を発揮せずに放置されている農地が各地に広がっている。本研究は,農地の有効活用のひとつとして森林由来の木質バイオマスと性質が類似し,短期伐採収穫が可能な作物であるヤナギの生産に着目した。現在提示されている生産マニュアルでは,いくつかの生産方法が提案されているが,収穫プロセスにおいては先進国(欧米)で使用されているような大型機械が導入されている。そこで本研究は,小規模農地で実施する場合の新たな収穫方法を提案するため,農家や林家が除草作業で使用する刈り払い機での伐採と小型破砕機によるチップ化を宮城県川崎町内にある2つのほ場(ほ場A,ほ場B)で実験的に実施した。評価の指標として,作業量(人工/10 a),面積当たりの消費エネルギー量(MJ/10 a),収穫量当たりの消費エネルギー量(MJ/dry-t),そして筆者が新たに考案した投入量(MJ・人工/10 a,MJ・人工/dry-t)を用いた。それら算出結果から,提案する収穫方法が既に提案されている収穫プロセス(北海道開発局,2010)のうち,サトウキビハーベスタを用いる収穫方法よりも少ない投入量で実施可能であることを示した。

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© 2016 一般社団法人 日本エネルギー学会
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