2016 年 95 巻 6 号 p. 468-479
原油から製造されるガソリン,軽油,灯油,重油などの石油製品は連産品,すなわち独立的に生産できない製品であり,製油所装置構成による制約を受ける。この石油精製をモデル化するためには各装置から製造される基材特性の設定と製品調整のための基材混合の条件を適切に設定することが重要である。本報告では,日本のエネルギーシステムを対象とした既存の日本版MARKAL モデルに組み込むことを目的に,新たに構築した石油精製モデルについて説明する。このモデルの特徴は混合用基材の混合比率を直接設定することで比較的簡便,かつ連産品制約を適切に表現できることである。