2017 年 96 巻 12 号 p. 519-524
本研究では,タールの改質に有効な木質バイオマスを用いた触媒の開発を目的とした。触媒調製の際には,マイクロ波を熱源として利用した。調製したニッケル担持バイオマスのニッケル担持率は約9.0 wt% であった。このニッケル担持バイオマスを600℃で熱処理することにより,約4.5 nmのニッケル微粒子が高分散したチャーを得た。また,固定層流通式二段反応器において,このチャーを触媒として用い,ひのきのタール改質実験を行った。このニッケル担持チャーを用いた場合,比較的低い600℃におけるタール改質において,触媒がない場合と比べて,約5.2倍の水素,約2.8倍の一酸化炭素,全体では約3.5倍のガスが得られた。