2017 年 96 巻 4 号 p. 93-101
コークスのメソ構造体における強度を支配する因子を明らかにするため,コークスの強度とコークス試料の研磨面におけるメソスケールの気孔構造の関係性を検討した。割裂引張試験によりコークスを破壊し,引張強度を測定した。また,コークスの研磨面を観察し,10 mm×10 mm の広い視野の連結画像を取得した。画像解析により,気孔の大きさおよび気孔の円形度を評価した。気孔の大きさごとに分類し,気孔の大きさが1000 μm 以上の気孔を多く有するコークスの強度が低いことを示した。また,気孔の大きさが1000 µm以上の気孔は円形度が低い。これらのことから,1000 µm 以上の大きさでかつ円形度が低い気孔がコークスのメソ構造体の強度に及ぼす影響が大きいことを示唆した。