2018 年 97 巻 7 号 p. 171-175
27.12 MHzの高周波プラズマを用いてリグニン溶液を分解すると,水素および芳香族単量体が生成される。ガスクロマトグラフィー (GC),ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)によって,生成気体と溶液中に含まれる分解産物を分析した結果,生成された気体の組成はH2,CO,CH4,C2H2,CO2,C2H4である。プラズマ照射後の溶液からはベンゼン,トルエン,フェノールが確認され,生成物が定量された。これらの結果はリグニンのベンゼン環周りの結合がプラズマ中で切断され,メタノールから生成したOHラジカル及びCH3ラジカルと反応することを示している。