日本エネルギー学会誌
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アジアバイオマス科学会議Ⅰ(論文)
Prediction of Microalgae Total Solid Concentration by Using Image Pattern Technique
Haikal Nando WINATARyozo NOGUCHI Ahamed TOFAELMuhammad Ansori NASUTION
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2019 年 98 巻 5 号 p. 73-84

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抄録

本研究では,コンピュータアルゴリズムによるデジタル画像処理によって,フォトバイオリアクター(PBR)における培養中の微細藻類のバイオマス量(濃度)測定を行うための非破壊的手法を提案した。福島県南相馬市にある藻類培養施設での土着微細藻類を乾燥したものを用いて,培養液中の乾燥微細藻類の重量(DCW)を最大12 g/Lまでの濃度で測定したところ,最大濃度3 g/Lまで効率的に測定できることが示された。測定では,実際の藻類バイオマス画像のRGB値を抽出し,グレースケール(GS)画像に変換した。また,アルゴリズムを単純化し,画像を分析する際の効率を高めるために,GS法を使用した。さらに,微細藻類の各GS画像は,各画像のみがその濃度に従って有する特別なパターンを導き出すことから,最適なGS変換方法を明らかにするために,GS画像を,輝度,強度,単調,彩度低下,平均,最小分解,および明度グレースケール方法による7つの変換結果と比較した。その結果,カメラを有するモバイルデバイスから取得した画像を使用することを想定した場合,藻類濃度を表す総固形分濃度を決定するためのカラーパターン識別子として,輝度GSがR2 = 0.9033を示し,濃度推定認識を行う上で,最も適切な方法であることが明らかとなった。

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© 2019 The Japan Institute of Energy
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