日本エネルギー学会誌
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論文
Fabrication of Hollow Spheres of Copper-Cerium Composite Oxide for Catalytic Decomposition of Nitrous Oxide
Tetsuo UMEGAKI Hiroki SHIRAISHIYoshiyuki KOJIMA
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2020 年 99 巻 5 号 p. 52-56

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抄録

本研究は触媒的亜酸化窒素分解用球状中空銅- セリウム複合酸化物の合成について検討した。球状中空体は球状シリカテンプレート上に銅‐セリウム複合酸化物シェルをコートし,水酸化ナトリウム水溶液中でテンプレートを溶解することで得られた。得られた種々の銅組成で調製した球状中空体は粒径が約130-150 nm程度で中空サイズが100 nmであり,テンプレートの形状を反映した粒子として形成していることが確認された。これらの球状中空体を使用して亜酸化窒素の分解を行ったところ,銅組成が高い試料ほど分解率が高く,773 Kで78%の分解率であることが確認された。各触媒の反応前後のXPSスペクトルを比較したところ,Ce4+種に由来するピークが高結合エネルギー側にシフトし,銅含有量が高い試料ほどシフトの幅が狭いことが確認された。以上の結果より,酸化セリウムの酸化状態が反応前後で変化がない触媒ほど活性が高いことが示唆された。

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© 2020 The Japan Institute of Energy
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