燃料協会誌
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本邦に於ける石炭の粘結性に関する研究-総括
昭和24年9月10日第246回例会講演
吉田 雄次
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1950 年 29 巻 7-8 号 p. 173-182

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抄録
石炭の粘結性に関してこれ迄本邦に於て行われた50に及ぶ研究をコークス製造の見地から夫々の内察に応じて粘結性測定法, ピチューメンの作用, フミン質の役割, コークス性結性に影響を及ぼす諸因子, 硬質コークス製造法等に分類し, 各研究の概要を述べた。粘結性の測定法はこれ迄に種々提案されており, このうちの2, 3は工業的な意味での粘結性の測定に不完全ながら適用出來ると思われる。粘着性は主として所謂ピチューメンの量によつて支配されるが, 同時にフミン質の影響を見逃すことは出來ず, 本質的には石炭を構成する單位体同志を束縛している凝集力の大小に支配されると考えるべきである。コークス化性に対してはフミン質の性質特にそのビチューンンに対する反応性の如何が更に大きな役割を演ずる。粘結性に関与する因子としては風化,粒度, 乾溜速度, 灰分, 割れ等の影響があげられ, これ等の研究の成果として国内炭から強度の高いコークスを作る2, 3の方法が得られている。
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