燃料協会誌
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微粉炭ガス発生炉に関する一考察
黒沢 慶二
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1951 年 30 巻 1-2 号 p. 7-13

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抄録

著者は先に合成原料ガス製造の為の「微粉炭ガス化装置」についての文献を紹介したが, 国産劣質炭利用の立場から更に2, 3の考察を加えた。との装置はドイツのKoppers及び米国のBureau of Minesで研究されたもので, Winkler式発生炉と比較して, 炭種を選ばず, 單位装置の能力大きく, 炉の構造簡單, 能力の伸縮性が大きい等の長所があり, 又クリンカー生成の危砂も少い。用いる微粉炭は4, 900メッシュ以下75%のもので, ガス化量は155~20dkg/m3hr, 炭素の利用率は95%である。ガス化室の構造は輻射熱を有効に利用するために球状に近いことが望ましく, 炉内高温のたあ耐火材料及び熱回牧に注意すべきであるが, このたあの建設費はガス化量がよい為に充分におぎなえる。この装置の最小経済單位は10, 000m3/hr前後である。次に一定の條件を仮定して熱精算を行つたが廃熱汽罐により生成ガスの顯熱を回收した綜合熱効率は78%となつた。次いで, 10, 000m3/hr微粉炭が気化装置建設に必要な機器の大要を述べ, その製作費及びこれによるガス生産費とを推定し, 微粉炭ガス化装置によれば, 国内産の劣質炭で, 安価な合成原料ガスの生産が可能であることを明かにした。

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