抄録
最近自動車ガソリンが自動車エンジンの進歩に件つてだんだんと高オクタン価のものとなり, 必然的に芳香族性の高い分解または改質ガソリンを成分とするようになつたこと, 四エチル鉛の使用が普及してその量を漸増しているためにプレイグニションの問題が多くなつてきた。その解決にはTCPなどを使用するほかに, 水添脱硫によりガソリンの加鉛効果を増す方法があり, 著者らのこれに関する実験結果を報告した。
重油に関してはその質はだんだん低下する傾向にあり, 必然的に調合安定度が問題となつてきているが, これに関する最近の報告を紹介し, 併せて著者らの実験も紹介した。また, ある種の油ではバナジウムによる被害を生じており, これに関する最近の報告を紹介した。