燃料協会誌
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ガソリンエンジンのプリイグニションとその防止
昭和29年4月10日例会講演
小幡 武三
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1954 年 33 巻 6 号 p. 298-305

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抄録
近時, ガソリンエンジンの進歩とともに圧縮比が増大してガソリンに要求されるオクタン価が高くなりつつあるが, エンジンの要求するオクタン価とガソリンのオクタン価の間にゆとりがあるにもかかわらず, ノッキング現象のみられるのは, このノッキングがデトネーションではなくてプリイグニションであるためと考えられている。プリイグニション生起の原因はエンジンの汚れによるホットスポットの生成と考えられる。エンジンの汚れの起る度合を使用する潤滑油およびガソリンの性質がら評価することはまだ困難であるが, 四エチル鉛燃焼生成物がプリイグニションの起る第一の原因であることは間違いない。筆者らは研究室および実用エンジンにおいて四エチル鉛燃焼生成物の沈着を防止するスカベンジャの研究を行つて良好な結果を收めた。
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