燃料協会誌
Online ISSN : 2185-226X
Print ISSN : 0369-3775
ISSN-L : 0369-3775
非粘結炭からの成形コークス製造
昭和30年11月22日特別講演
浅井 一彦丹野 晴彦
著者情報
ジャーナル フリー

1956 年 35 巻 5 号 p. 279-287

詳細
抄録
現在冶金用コークス製造のために年間約400万tの強粘結炭を輸入している。従来のコークス炉ではもちろん粘結炭を原料としなければコークスは製造し得ないのであるが, しからば非粘結炭からではコークスは製造し得ないであろうか。この問題の解決のため, 約5ケ年間にわたる研究の結果, 二段乾溜法と称する新しいコークス製造法を確立した。すなわち非粘結炭90%を主原料として, 潰裂強度96%を有する強度の大なる成形コークスを製造し得た。本法は低温乾溜による揮発分の除去, 成形による粒子の密著, 高温乾溜による燒成の三行程からなつている。この三行程の工業化にあたり, 低温乾溜には浮游乾溜法を確立し, 成形は押込型式成形機により行い, 高温乾溜には竪形連結式乾溜炉を確立し, いずれも工業的に実施し得る合理的な方法であることを実証した。
本文ではこれらの三行程の半工業的規模におけるパイロット・プラントの説明, 操業條件および成形コークスの品質などにつき詳細に論述した。
著者関連情報
© 社団法人日本エネルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top