世界的にみてソ連の燃料工業は米国についで概して第2位の地位を占めているといえる。戦後の復興に当つてソ連は石炭を中心とする燃料工業および電力の開発に重点をおいてきたが, 1959年にはじまつた7ケ年計画により, エネルギー開発の重点は石炭から石油, 天然ガスなどの流体エネルギーに移された。それにもかかわらず, 石炭の生産量は依然として増加し, この増加分は山元発電用の石炭とコークス用炭にふりむけられている。
筆者はソ連邦の燃料工業の最近の状況として, 燃料エネルギーの構成, 主要工業部門における燃料の使用状態などについて詳述した。