2022 年 101 巻 1 号 p. 119-127
気候変動対応・CO2排出ネットゼロ・低炭素化等々,世界を取り巻くエネルギー関連環境が急速に変動する中で,中東湾岸地域でも対応は早く,主要な産油国であるアラブ首長国連邦 (UAE)では2023年開催予定のCOP28のホスト国に名乗りを上げ,2021年10月には他の湾岸産油国に先駆けて2050年ネットゼロを宣言,新たなエネルギートランジション戦略に向けて歩を進めている。この急速な事業環境変革期において産油国の戦略の理解は極めて重要であり,本稿では一例としてUAEの最新動向を紹介するとともに,同国においてコア事業を展開する本邦石油開発会社の立場から見た協業戦略の思考実験を試みた。