今後の粗鋼生産量の需要は旺盛であるが,スクラップの溶解割合が増加する世界情勢を踏まえて,現状の日本の粗鋼生産量=1億トン/年のまま,高炉メーカーが電気炉を設置し,将来(2050年時点)の高炉法/電炉法の比率を50%/50%としたときのCO2排出量,エネルギー供給量,エネルギー購入費を算出した。 高炉メーカーのエネルギー供給拠点としての役割を維持すべく,エネルギー供給量を維持した場合,CO2排出量は低下し,電炉法比率上昇の効果は顕著であるが,エネルギー購入費は若干増加する。 電炉法において,2050年にC源燃焼をゼロとして電力に振り替える操業を実施しても,CO2排出量,エネルギー購入費低下は十分に可能である。電炉メーカーにおいて,C源燃焼カットは排ガス量の大幅低下をもたらし,エネルギー効率向上が図れるとともに,ダスト発生量が減少し,産廃処理費の大幅節減が図れる。