我が国の洋上ウィンドファーム発展をめざした国際技術交流

抄録

欧州ではめざましい勢いで洋上ウィンドファームの建設が進み，既に洋上風力が主要なエネルギー源となっている。他方，わが国では，さまざまな課題が存在するがゆえに，未だに経済的合理性を有する洋上ウィンドファームが実現されていない。こうした課題解決のためには，国内における研究活動ばかりではなく，海外の技術者との交流を通じた幅広い見識を持つための努力が重要である。本稿は，欧州における洋上ウィンドファームの現況を紹介するとともに，これまで筆者が係ってきた我が国沿岸における洋上ウィンドファーム実現をめざしたいくつかの研究活動，すなわち，着床および浮体式洋上風車の国際的な技術標準化をめざすIEC分科会活動，東京で開催されたWWEC2016国際会議への参加，あるいは名古屋大学寄附講座における活動などを紹介するものである。