照明学会雑誌
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偏光を應用したる「ストレツス」の研究に就て
福田 爲造
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1922 年 6 巻 2 号 p. 119-151

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抄録

種々な形の板に力が働て生ずる「ストレッス」の分布を定めることは工學上最も大切なことでありますが不幸にして數學的には容易に決定出來雲せん。然し幸にして「ロンドン」の「ユニバーシチー・カレヅヂ」の「コーカー」教授は透明な「セルロイド」板で種々の形の板を作り之に偏光を當てヽ生ずる色効果と板の厚みの攣化の測定とを組合せ「ストレツス」分布を巧に決定し得たので其理論及び實験方法を此處に説明するのであります初めに偏光とは何か如何にして生ずるかを説明して居ります。次に偏光を結晶板に當ると着色光を得られる理窟を明にして居ります、之は光の干渉によるのであります。雲母薄板に平面偏光を當ると同じく干渉を起し圓偏光を生ずるので此圓偏光を用ひて「ストレッス」の研究をします。「ストレッス」の起きて居る板を圓偏光で検べると結晶板同様着色光を得られます。其色は「ストレッス」の大さによりて攣ります。今検べる板の一點の「ストレッス」の爲に生ずる色効果を他の噺面一様で「ストレッス」の大さの容易に計算出來る板を用ひ其に「ストレッス」を起させ其色効果と互に償はせて色を消し其からして検べる板の一點の主「ストレッス」の差を定めます。次に板の厚みの變化を槍べ其から主「ストレッス」の和が得られ此両實験を組合せ二つの主「ストレヅス」の値を得るのであります。次に雲母板を除き平面偏光を試験板に當て生ずる黒線より主「ストレヅス」曲線を見出されるので其方法を説明して居ります。今實例として一つの板の中央より一方へ偏つた處に圓い孔のある試験板に就て圓の周園や板の爾縁板の最小横断面などでの「ストレッス」分布を定めた結果を示して居ります、又主「ストレッス」曲線がどんな風になるかをも示して居ります。

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