純粋炭素の沸點に就ては正確なる論據なく或る研究者の如きは炭素の沸點は其の熔點より低き結論に達し熱による分子振動の理論に矛盾す。又其熔點も「タングステン」の沸點より高きが如し。
炭素の蒸發は運搬者として働く炭素に含有する不純物の化學反應により誤る事多く炭素繊條を以て「タングステン」以上の温度に實用に供せんとせば甚だ純粋なる炭素を要す可きも酸化「マグネシゥム」の如き不純物を化學反應を起さゞる範圍に取去るは實際至難にして余の研究は化學反逆作用による炭素分子の射出を防止するため「ハロゲン」瓦斯を使用したるものにして炭素繊條を炭素の鹽素化合物により高熱中に處理する事により高能率の炭素繊條電球を製する事を得たり。
 抄録全体を表示