抄録
電子機器の小型化高機能化が急速に進んでおり, それに伴いプリント配線板への部品の実装も, 高密度の表面実装 (SMT) へと移行してきている。また実装部品も著しく小型化, 高精度化してきており, これらの部品を高密度に実装する, プリント配線板用の基材である銅張積層板も, 今まで以上に高耐熱性, 高信頼性が求められている。我々は, これらの要求に対応するため, 従来広く用いられているFR-4グレードの積層板より, より耐熱レベルの高いFR-5グレードの高耐熱ガラスエポキシ銅張積層板を開発した。本報では, この耐熱積層板と, 従来のFR-4積層板との耐熱特性の比較を中心に, 高耐熱銅張積層板の特性を述べ, あわせて耐熱性の重要な要素であるガラス転移温度 (Tg) の測定方法による差異についても述べる。