サーキットテクノロジ
Online ISSN : 1884-118X
Print ISSN : 0914-8299
ISSN-L : 0914-8299
フラットパッケージはんだ付け継手の熱疲労寿命
曽我 太佐男小林 二三幸佐々木 秀昭白井 貢保川 彰夫
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 7 巻 2 号 p. 97-109

詳細
抄録
プリント板上に搭載したFP (Flat Package) のはんだ付け継手部において, 温度サイクル試験によるクラック進展長さを定量評価し, 熱疲労による劣化メカニズムおよび熱疲労劣化要因について検討した。FP構造では, 熱応力が弾性体のリードを介して継手に作用するため, 破壊メカニズムがフリップチップ等の剛体構造に比べ複雑である。セラミックFP継手のクラック進展は, 高温から低温に変化したとき, 継手のかかと部に開口状に作用するリードの曲げに起因する。FP継手のクラック進展長さは, 温度サイクル数に対して, ほぼ直線的に増加する。クラック進展に及ぼすリードの曲げ剛性, プリント板の熱膨張係数, 継手欠陥の形状, はんだ厚さ, 加速条件, 浮きリードによるクリープを伴う複合疲労等について明らかにした。また, 各種FP継手に対して, 継手形状, 寸法等で継手の信頼性を容易に判定できるマクロな簡易解析法の有効性を確認した。本手法による平均相当応力が3kgf/mm2以下であれば, -55~150℃, 1サイクル/hの条件で, 1500サイクルに耐えられる高信頼継手が期待できる。
著者関連情報
© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
前の記事 次の記事
feedback
Top