IC, LSIを中心とするマイクロエレクトロニクス技術の急速な進歩は目を見はるものがあり, われわれの生活もエレクトロニクス技術なしでは成り立たなくなってきている。自動車においても, エンジン制御, ブレーキ制御などのエレクトロニクスシステムが開発され, 安全性, 経済性, 快適性などの向上に貢献している。
このような中で電磁障害という問題が浮かび上がってきた。この問題は通信技術の分野では以前から問題となっており, 色々な対策がなされている。しかし, 制御技術の分野では予想外の障害を引き起こすことがあり, 自動車の分野でも, 1970年代, 米国において問題となって広く知られるようになった。その後, 問題解決のための電磁環境調査, 設計改善, 評価技術の確立がなされ, 最近ではこのような問題の発生は報告されていない。
以下, おもに自動車の制御用電子機器についての状況を述べる。