抄録
電解銅箔の成長面 (M面) の凹凸プロファイルは絶縁基板との密着性, エッチング特性に大きく影響するため, 表面形態制御の重要性が高い。本研究では銅箔を走査型電子顕微鏡により観察し, 電解条件と表面モルフォロジーの関係を系統的に検討した。またX線回折法により結晶構造にも検討を加えた。各検討因子 (硫酸銅, 硫酸, Cl-, にかわ, 電流密度, 浴温, 流速) のなかでも, Cl-およびにかわの影響が最も顕著であり, 表面の凹凸の発達と (220) 面回折ピーク増大との対応関係が明瞭に見られる。さらに成長初期は添加剤の影響は小さく, いずれも〈111〉配向をとるが, 10μm厚付近を境に凹凸の発達が始まり, 結晶構造は〈110〉配向となる。