抄録
Auと耐熱疲労性に優れたIn-48Snはんだによるマイクロ接合部の界面反応を調べるために, AuとIn-48Snの拡散対を用いて熱処理実験を行い, 反応層の成長過程および成長則を明らかにした。In-48Snはんだの融点以下における固相間反応領域では, AuとIn-48Snはんだの界面には金属間化合物層であるAuIn2層が界面に生成し, はんだ層側に成長する。成長速度は放物線則に従い, AuIn2層の成長の際の活性化エネルギは42.8kJ/molであった。In-48Snはんだの融点以上の温度における固相と液相の反応領域では, 界面に生成したAuIn2層は界面からAu基板側に成長する。AuIn2層中のSnの固溶量が増加するとAuIn2とSnの2層共存組織が現れ, さらにSnがAuと反応することによりAu-Sn系の金属間化合物相であるAuSn4, AuSn2, AuSn相がAu基板側に生成し成長することが明らかになった。