石炭科学会議発表論文集
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第30回石炭科学会議
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15.種々の熱分解法で調整したチャーのガス化反応性と諸特性値の関連性
三浦 孝一査 浩明前 一広橋本 健治
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p. 59-62

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抄録

我々は石炭の新しい利用法として、石炭を迅速に熱分解してベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)などの有用化学物質をできるだけ大量に回収した後、残留するチャーをガス化・燃焼するプロセスを想定して種々の検討を進めてきている。すでに、迅速熱分解時に石炭転化率と液収率を向上させる方法として、(1)テトラリンなどの水素供与性溶剤で膨潤してから熱分解する方法(石炭膨潤熱分解法)を、(2)BTX収率を向上させる方法として溶剤蒸気雰囲気中で石炭を熱分解する方法(溶剤同伴熱分解法)を、(3)転化率、液収率、BTX収率を共に増加させる方法として(1)と(2)を組み合わせた方法を提案した。さらに、(3)の方法を工業的に実現する手段として、(4)石炭-溶剤スラリーの熱分解を提案し、メタノールを溶剤としてその有効性を明らかにした。次に検討すべき課題の一つとして、生成したチャーのガス化反応性、あるいは燃焼性が上述の前処理、熱分解法によってどのように変化するかを明らかにすることが挙げられる。そこで本研究では、(1)、(2)、(4)の方法によって、同一の石炭から同一の温度、昇温条件で調製したチャーの諸特性値と空気によるガス化反応性を測定し、前処理、熱分解法の相違がガス化反応性に及ぼす影響を検討するとともに、ガス化反応性に相違が現れる理由を考察した。

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© 1993 一般社団法人 日本エネルギー学会
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