抄録
近年,位置情報サービスの増加に伴い,GPS を受信できない屋内や地下での位置測位技術が求められている。従来の屋内位置測位手法では,新しくBluetooth 等のビーコンを設置したり,事前に電波強度のレファレンスデータを作成したりと,コストや手間のかかる方法が主流となっている。また,2 次元での推定が主流となっている。本研究では,事前情報を用いずにスマートフォンなどの携帯端末が保有している情報のみから,屋内での端末の位置を3 次元で推定する。端末に内蔵されている加速度センサ,地磁気センサ,気圧センサの情報を用いた位置推定(PDR : Pedestrian Dead-Reckoning)をベースとし,複数のアクセスポイント(AP)からのWi-Fi の受信強度の情報を用いたプロキシミティベースの位置補正を組み合わせた手法を提案する。この2 種類の情報から,位置測位を行なうまでのアルゴリズムを示している。また,3 次元的な動きを伴う歩行実験を行ない,アルゴリズムの検証を行なった結果を示す.