抄録
本研究では,画像中の顔領域を検出し,同領域の情報を用いて,年齢および性別の判別を行う。近年,カメラから得た画像情報に対し顔認識技術を適用することで,性別や年齢といった顧客属性情報を自動的に取得するアプリケーションが登場している。しかし,実用化されている現在においても解決すべき課題は存在している。その中の1 つとして顔領域の情報変化に伴う男女判別率の低下が挙げられる。このようなアプリケーションでは,画像から顔領域を検出し,特徴量を算出した後,判別分析を行う方法が一般的である。顔領域の情報の変化は主に表情変化,照明変化によって引き起こされるが,年齢の違いによる顔領域の情報の変化も存在する。これらは特徴量の変動に大きく関わっている。特徴量の変動に伴う判別率の低下への対処法としては,ノイズに影響されない特徴量の検討が効果的な手法の1 つである。本稿では,年齢の違いによる顔領域の情報変化への対処法として年齢推定を併用した男女の判別法を提案する。