2020 年 4 巻 1 号 p. 10-17
本研究では東北地方太平洋沖地震によって誘発された宮城県内の津波を例に挙げ,研究対象地域(海岸線から10km まで)に位置する神社の土地条件および創建年代と津波による浸水被害との関係について評価を行う ことで,津波発生時における避難場所としての神社の有効性について検討を行った.その結果,研究対象地域内に位置するすべての神社が避難場所として適しているとはいえないものの,750 年以前に創建された神社や標高が100m 以上に立地している神社,あるいは海岸からの距離が4000m 以上離れている神社においては避難場所として有効である可能性を示唆することができた.