国際ICT利用研究学会論文誌
Online ISSN : 2433-9989
Print ISSN : 2433-0205
初期平安京の復原
~都城の思想と大型将棋の将棋盤~
高見 友幸
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2020 年 4 巻 1 号 p. 18-28

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抄録
造営当初の初期平安京および平安宮,朝堂院,大極殿院の復原を試みた。前提となる主要な仮説は,次の5つである。1)平安京の北端を一条大路(後世の土御門大路)とする,2)この一条大路の幅を17 丈とする,3)平安京の南端を八条大路とする,4)初期の八条大路の幅を28 丈とする,5)朝堂院の建造物には,地面を測る物差し(1 尺=29.8cm)とは別に,1 尺=28.1cm の物差しX が使われている。得られた結論は,次のとおりである。1)初期平安京は一辺が1500 丈の正方形である,2)平安宮は東西384 丈,南北383 丈であり,ほぼ正方形である,3)大極殿院は一辺40 丈の正方形である。このように,初期平安京は,平安京の正方形の中に,より小さな正方形を含む正方形の階層構造をもっている。
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© 2020 一般社団法人国際ICT利用研究機構
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