国際ICT利用研究学会論文誌
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唐長安城の復原
~初期平安京の正方形仮説~
高見 友幸
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2022 年 5 巻 1 号 p. 26-

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抄録
初期平安京は厳密に正方形の都城であるという仮説が最近になって提起されているが,本研究はこの正方形仮説の淵源を唐長安城に求めるものである。従来,唐長安城は古代日本の都城の規範とされてきたが,厳密な正方形性が議論されることはなかった。本稿では,唐長安城の新たな復原の結果と初期平安京の正方形仮説を合わせて考察することで,ふたつの都城の復原を相補的に検証する。正方形仮説は,1)初期平安京が1 辺1500 丈の正方形であり,2)初期平安宮が1 辺400 丈の正方形であり,3)大極殿院が1 辺40 丈の正方形であることを主張するが,この仮説に含まれる1500 丈,400 丈,40 丈という数値の由来を定量的な解釈により示すことができた。この結果は同時に唐長安城の復原案の正当性を支持するものである。
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© 2022 一般社団法人国際ICT利用研究機構
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