芝生生産地に多くみられる腐植に富む黒ボク土壌が芝生の栽培生育にどのように影響しているかについて土壌の化学的性状の調査と芝生の栽培試験により検討した。
各務原, 鈴鹿両黒ボク土壌ともpH値, 全炭素, 全窒素含量とも土層位が深まるにともない低くなる傾向が見られた。また沖積土壌は黒ボク土に比べ全炭素, 全窒素含量, 有機物含量とも非常に低い値を示した。
芝生の栽培実験では, 沖積土より腐植量の多い黒ボク土, 特に黒ボク土の上層土での収量が大変に良い結果を示した。
その結果,芝生の栽培育成には黒ボク土の上層土が大変有効であり,その腐植が植物養分のみならず,腐植の効用で土壌の物理的構造を良くし,芝生の栽培によりよい条件を与えるものと察知された。