1990 年 54 巻 5 号 p. 102-107
本研究は, 都市環境における彫刻作品の作品内容に対する市民の評価の視点について分析を行なうものである。彫刻作品が量的に豊富な地域をケーススタディとして調査対象地に設定し, そこに居住する市民を被験者として, 身近な生活空間に設置されている複数の彫刻作品の作品内容に関する意識をアンケート調査により把握し, これを分析して, 次のような点について明らかにした。1) 市民の作品内容に対する評価の視点の内容について。2) この視点を評価の尺度 (評定尺度) としてとらえた場合, これに基づく評価の中に存在する因子の内容について。3) 検出される因子と, 作品内容の適切性に関する評価の関係について。