造園雑誌
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二條城本丸庭園における作庭の変遷について
内田 仁
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1990 年 54 巻 5 号 p. 19-24

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抄録

二條城本丸庭園の作庭の変遷については, 京都市二條城事業係が建築的側面より紹介している。だがその詳細については断片的にしか研究されていない。そこで本研究は本丸が造られた寛永年間から現在の本丸庭園が完成した明治28年までの作庭の歴史的な変遷を考察することを目論んだ。寛永年間の本丸庭園はその資料が全くなく不明であり天明8年本丸御殿焼失と共に崩壊し幕末を迎えた。幕末・明治初期には茶庭が存在していたが建物の老朽化が激しく明治14年取り壊された。明治27年旧桂宮邸の一部が本丸へ移築されその際売泉水庭園が作られた。明治28年には芝生を主体とした外国の影響とも思える庭園に大改造され現在に至る築山風庭園が完成された。

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