造園雑誌
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「プロムナードゥ・ドゥ・パリ」におけるアルファンの公園観
佐々木 邦博
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1990 年 54 巻 5 号 p. 78-83

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抄録

アルファンは19世紀フランスの第二帝政期にセーヌ県知事オスマンによりパリ都市改造の緑地部門の責任者に任命された技術者である。彼は自ら関与した緑地を詳細に記録した「プロムナードゥ・ドゥ・パリ」という大著を残している。冒頭には長い序文があり, 主に造園史が記されているのだが, 著者の公園観が各所でにじみでている。この序文を分析の対象とし, 考察を進めた。その主な特徴は2点ある。第一点は造園の社会的地位が高くなく, 芸術家になおざりにされている状況への強い反発である。第二点は造園史の流れを発展とみなし, 自然風景への好みを媒介を務めるものとみなす見解である。この結果, パリの公園は最も進んだ造園と位置づけられているのである。

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