造園雑誌
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京都市民の緑の満足度に関する研究
長山 宗美吉田 博宣糸谷 正俊
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1991 年 55 巻 5 号 p. 337-342

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抄録
京都市民を対象に緑に関するアンケート調査を行い (有効回答2, 193), 物理的な緑量 (緑被率) と緑に対する満足度との関係, 及び市民の主観的緑量 (緑の種類別多少感) と満足度との関係を分析した。緑被率20%で市民の満足度平均値に達するが, 田畑が多い所では緑被率40%以上となった。京都市北部の市民の満足度は高く, 中心部・南部は低い。満足度は山や緑地を借景とすることで高まる。緑地の存在は周辺住民の緑の満足度を高め, その形態としては, 閉鎖型より開放型の方がより効果が高い。主観的緑量のうちで身近な緑の満足度に影響を与えるのは, 近所の生垣の多少感であるが, 中心部では街路樹や社寺の緑南部では田畑の緑が果たす役割が大きい。
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© 社団法人 日本造園学会
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