抄録
アメリカ合衆国の環境芸術のなかで, 特にランドスケープ・スカルプチュアと称されるカテゴリーの作品を対象に, 技法的な側面におけるランドスケトプデザインへの影響を考察した。敷地の特性を読み取り, それを観察者と同一の観点から知覚させる操作や機能を要求されることによって生じる諸条件を止揚しつつ, より次元の高い作品として完成度をたかめてゆくプロセスは, そのままランドスケープデザインのアナロジーとして理解される。これらは, 敷地状況の読み取り方と表現媒体の幅を拡張することによって, 近代ランドスケープデザインの枠組の中に取り込むことができるものである。