本論文では, 緑地における樹木枝量の推定手法ならびに樹木分布構造の解析手法について検討した結果を報告する。1) 河川の定量分析に用いる水流次数化手法を樹木枝に援用した枝次数と, 諸量 (枝数枝直径および枝長) の間には, それぞれ片 (両) 対数グラフ上で直線の関係が認められた。これらの回帰式により, 樹木枝の諸量を樹木の枝下直径から推定することができる。2) 対象緑地内の近接する3本の単木を頂点とする三角形要素を用いた領域分割により, 各要素の立木枝数密度と領域内の立木枝数密度の平面分布が得られた。これらは, 緑地樹木の分布構造解析の指標となり得る。