1993 年 57 巻 5 号 p. 169-174
都市部における墓地需要の高まりと, 墓地不足は深刻な都市問題となっており, 都市周辺部においては墓地供給の圧力が高まっている。本研究は, 水戸市近郊の瓜連町における公園墓地計画策定に伴い, 従来からの定住層と新規住宅団地に移住してきた住民における, 墓地に関する意識の比較を行った上で, 今後の墓地のあり方について考察したものである。その結果, 新旧住民の間には, 墓地需要の度合, 埋葬・慰霊・墓地のあり方に関する意識, 公園墓地の整備に際して望む事柄などに差があることが分かった。また, 今後の公園墓地計画において, 多様な慰霊形態を受け入れ管理することにより, 墓地の不用意な拡大を抑制する可能性について考察した。