本論では現在までに実施してきた6都市 (杉並区, 長野市, 幸手市, 栗橋町, 庄和町, 野田市) における気温分布と緑地分布との関連についての総括的な解析を行った。気温分布については市街域での高温, 緑地域での低温が全都市, 全時刻の結果について認められ, 最も気温差の大きかったのは14時であった。これは一般的なヒ-トアイランド特性とは異なるが, 測定方法に起因するものであると考えられた。緑地の気温低減率の比較の結果, 都市規模が大きいほど気温低減率が大きくなる傾向が認められた。そこで, 都市の総人口との関連について解析したところ, 1 4時, 4時については総人口の対数値と気温低減率が直線関係にあることが分かった。