1994 年 58 巻 5 号 p. 69-72
乾燥条件下への導入を前提としてSedum属2種 (S.makinoi, S.oryzifolium) の耐旱性を探るために給水停止後の生育と水ストレスの関係, 水ストレスによる生存臨界点, 水ストレスと気温の関係について検討した。生育状態は生体重量, 葉の数, 厚さ, 根の増加数, 水ストレス状態は葉の水ポテンシャルの測定によって判定した。その結果両種ともに給水停止後, 生体重量や葉厚が当初の20~25%に低下しても葉の水ポテンシャルはさほど低下せず約-1.0MPaを維持していた。萎凋点以下の土壌中での根の増加が見られた。水ストレスによる生存臨界点は-2.0~-3.0MPaであることが推察された。水ストレスの進行は10℃ ~20℃ よりも30℃ で緩慢になることが判明した。