抄録
本研究は, 樹木を視対象とした距離の一般化に供するれ基礎データの収集と, その方向性を探ることを目的とした。調査は, 公園内広場に単植された樹木 (コブシ, クスノキ, クロマツ) を対象とし, 見えとそれに伴う感じ方の変化について現地調査 (被験者延べ251人) を行った。見え方の変化点, 葉の大きさおよび樹木の大きさと見え方の関係について考察し, さらに, 視距離によって変化する感じ方 (形容詞) を抽出, それぞれの特徴を考察。その結果, 対象距離 (200m) の中に5つの感覚の違いを見出すことができ, それらを区分する目安は, およそ (1) 200~60m (2) 120~36m (3) 36~12m (4) 12~2m (5) 2~0mとなり, 今後の一般化の方向性を示す値が得られた。