抄録
キャンプ場は, 山岳地のなかでも一時的に利用が集中する場所である。植生の損失や利用体験への影響が懸念されており, 適正な収容力および規模の設定が必要である。本研究では, 大雪山国立公園のヒサゴ沼において, テントの設置位置と利用者の混雑感およびキャンプ利用において不快に感じた要因を調査した。その結果, 利用の増加に応じて, テントの占有面積と間距が減少し, 利用者の知覚したテント数と人数, 混雑感, 不快に感じた要因が増加した。実際の利用テント数および人数が, 利用者の不快に感じる限界を超えた場合に, 混雑感と不快に感じた要因の数が著しく増加し, 心理的・物理的に十分な空間がなかったと考えられた。