ランドスケープ研究
Online ISSN : 1348-4559
Print ISSN : 1340-8984
ISSN-L : 1340-8984
高山帯における登山道やその周辺の踏みつけによる被害への対応
小林 昭裕
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 61 巻 5 号 p. 653-658

詳細
抄録

山岳自然公園では自然景観を眺めに多くの利用者が高山帯を訪れる。しかし, 高山帯は利用者の踏圧に脆弱かつ回復力の弱い環境条件にあることが多く, 登山道やその周辺で, 裸地化, 泥濘化や浸食の著しい箇所がみられる。これらの被害は, 自然環境の破壊だけでなく, 利用者の視野の近傍にあることから, 目に付きやすい存在として, 利用者が望む自然景観への阻害要因ともなる。本研究では, 高山植物を眺めに多くの利用者が訪れる大雪山国立公園の高山帯を対象に, 踏圧がもたらす被害を軽減・緩和する管理方策を見出すため, 登山道の立地環境と利用者の行動形態との関係について, 生態的視点および立地デザイン的視点から, 管理方策を検討した。

著者関連情報
© 社団法人 日本造園学会
前の記事 次の記事
feedback
Top