ランドスケープ研究
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土嚢袋を用いた表土利用型法面緑化工法の評価
養父 志乃夫山田 宏之中島 敦司中尾 史郎松本 勝正
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1999 年 63 巻 5 号 p. 447-450

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抄録

従来から行われてきている草本種子を用いた法面緑化工法ではない, 自然の表土と, それに含まれる埋土種子を利用する緑化工法に関する研究のため, 香川県内において試験施工を行った。樹林内の表土を尾根部, 中腹部, 谷部の3箇所から1997年3月と6月に採取し, 土嚢袋に詰めたて勾配32度の南西斜面に設置し, 追跡調査を実施した。施工後2年目の段階で, 土壌採取場所の違いによリ異なる植生が成立した。いずれの区においてもアカメガシワ, ヌルデ等の先駆性の植物が優先的に成立したが, 尾根部から採取した土壌区では特にススキが密生し, 最大の被覆量を占めた。ススキも含め, 植物被覆量の多い区ほど土壌流亡が少ないことも明らかになった。

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© 社団法人 日本造園学会
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