ランドスケープ研究
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松枯れ激害地における伐採強度の差による主要構成樹種の萌芽再生の比較
山瀬 敬太郎
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1999 年 63 巻 5 号 p. 465-468

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抄録

松枯れ激害地で優占している樹種の萌芽再生の特徴と, 伐採強度が萌芽再生に与える影響を把握するために, 伐採強度の異なる3区を設定し, 優占種の萌芽再生力を比較した。その結果, ソヨゴやネジキの高木種が優占しているのは, これらの萌芽再生力が伐採時の樹齢20-30年で最大になり, かつてのアカマツ林の伐採周期とほぼ一致していたためであること, ピサカキやコバノミツバツツジの低木種が多くみられるのは, 萌芽再生力が樹齢に関係なく一定であり, 一定の再生力によって安定した更新が行われているためであることが推察された。また, 皆伐区では, 強度伐採区や弱度伐採区と比較して, ソヨゴやネジキの優占度が相対的に高まる可能性が示唆された。

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