ランドスケープ研究
Online ISSN : 1348-4559
Print ISSN : 1340-8984
ISSN-L : 1340-8984
北アフリカにおける天水農地の分布と雨季の降水量・可能蒸発散量の関連性
立入 郁
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 63 巻 5 号 p. 535-538

詳細
抄録

天水農業を行うには年降水量で夏雨地域では350mm, 冬雨地域では200mm前後が必要だとされる。本研究の目的は, 天水農地の雨季の降水量と可能蒸発散量の関係を用いて一般的に適用できる農耕の限界水文条件を示すことにある。解析は北アフリカにおける月別降水量, 月別可能蒸発散量 (Penman-Montelth式を使用) および土地被覆に関する既存のデータセットを用いて行った。本研究では, 1年で降水が最も安定となる連続する3ヵ月を雨季と定義し, 解析対象とした。本研究の結果, 夏雨地域・冬雨地域を問わず, 雨季の降水量と可能蒸発散量の比が0.58以上となることが耕作が可能であることの条件として示された。

著者関連情報
© 社団法人 日本造園学会
前の記事 次の記事
feedback
Top